石膏ボードのひび割れ補修を自分で行う際、適切な道具と材料を揃えることが成功の鍵となります。ホームセンターやインターネットで手軽に購入できるものがほとんどですが、それぞれの役割を理解して選ぶことが重要です。 まず、最も中心となる材料は「補修パテ」です。石膏ボード用のパテには、大きく分けて粉末タイプと練り済みタイプがあります。粉末タイプは水で練って使用するため、好みの硬さに調整でき、乾燥後も硬度が高いのが特徴です。一方、練り済みタイプは開封後すぐに使える利便性がありますが、乾燥後の収縮が若干大きい場合があります。ひび割れの深さや幅に応じて、速乾性や軽量タイプなど、様々な製品があるので、用途に合ったものを選びましょう。 次に、パテを塗布するための「パテベラ(ヘラ)」も欠かせません。幅の異なる数種類を持っていると、細いひび割れから広い範囲まで対応できます。ステンレス製やプラスチック製がありますが、初心者にはしなり具合が扱いやすいプラスチック製がおすすめです。 ひび割れが進行している場合や、比較的幅のあるひび割れには「補修テープ(ファイバーテープやメッシュテープ)」が非常に有効です。これはひび割れ部分に貼ることで、パテの食い付きを良くし、補修後の再ひび割れを防ぐ補強材の役割を果たします。 パテが乾燥した後、表面を滑らかにするためには「サンドペーパー(紙やすり)」が必要です。荒目(100~180番)と細目(240~400番)の2種類を用意し、荒目で大まかな段差を削り、細目で仕上げるのが一般的です。サンドペーパーホルダーがあると、均一に力を加えやすく、作業が楽になります。 その他、下地の汚れを拭き取るための「濡れ雑巾」や「ブラシ」、ホコリの侵入を防ぐための「養生シート」、作業中のケガを防ぐための「手袋」、ひび割れが深い場合に奥までパテを押し込むための「コーキングガン(シーリング材を使う場合)」などがあると、よりスムーズに作業を進めることができます。 これらの道具と材料を適切に使いこなすことで、石膏ボードのひび割れをプロのような仕上がりで補修することが可能になります。
ひび割れ補修に必要な道具と材料