賃貸物件で自分好みの空間を実現したいとき、壁紙の張り替えは非常に有効な手段です。しかし、退去時の原状回復義務を考えると、「剥がせるクロス」の選び方が重要になります。ここでは、賃貸物件におすすめの剥がせるクロスを選ぶ際の視点について解説します。 まず最も重要なのは、「下地を傷つけずに剥がせるか」という点です。一口に「剥がせる」と言っても、その度合いは商品によって様々です。弱粘着性のシールタイプの壁紙や、専用の剥がせるのりを使用するフリース壁紙などが主流ですが、中には下地の壁紙を一緒に剥がしてしまったり、糊が残ってしまったりするものもあります。購入前にサンプルの取り寄せや目立たない場所での試し張りを行い、確実にきれいに剥がせることを確認しましょう。特に、古い物件の壁紙は劣化している場合があり、剥がす際に傷めてしまう可能性も考慮に入れる必要があります。 次に、「施工のしやすさ」も重要な視点です。DIY初心者の方にとって、複雑な工程は失敗の原因になりかねません。裏面がシールになっているタイプは、糊を塗る手間がなく、比較的簡単に貼れるため人気です。また、壁に直接のりを塗って貼るフリース壁紙も、壁紙自体に糊を塗る必要がないため、作業スペースが限られる賃貸物件では有利な場合があります。 「デザインや素材の豊富さ」も考慮したい点です。せっかくDIYするなら、自分の理想の部屋に近づけたいものです。ビニール素材の壁紙は水に強く手入れがしやすい一方、紙クロスやフリース壁紙はデザイン性が高く、様々な雰囲気の部屋を演出できます。お部屋のテイストに合わせて、豊富な選択肢の中から納得のいくデザインを見つけましょう。 さらに、「予算」も現実的な視点です。剥がせるクロスは、通常の壁紙と比較して価格が高めに設定されていることもあります。部屋全体の張り替えを検討している場合は、材料費が予算内に収まるかを確認し、必要であればアクセントウォールとして一面だけ張り替えるなど、工夫することも可能です。 これらの視点から、自分の賃貸物件の状況やDIYスキル、そして理想とする部屋のイメージに合った剥がせるクロスを選ぶことで、後悔のない壁紙DIYを楽しむことができるでしょう。