賃貸物件で壁の雰囲気を変えたい時、クロス(壁紙)のDIYは魅力的な選択肢です。しかし、賃貸物件ならではの「原状回復義務」を理解した上で進めることが重要となります。この義務は、退去時に部屋を入居時の状態に戻すというもので、これを守らないと追加費用が発生する可能性があります。 賃貸でクロスを自分で張り替える際の最大のコツは、「剥がせるタイプの壁紙」を選ぶことです。例えば、弱粘着性のシールタイプや、剥がせるのりを使って貼るフリース壁紙などがあります。これらは退去時に比較的きれいに剥がせるため、原状回復の負担を軽減できます。また、既存の壁紙を剥がさずに上から重ね張りする方法が推奨されます。 作業に取りかかる前には、まず賃貸借契約書を必ず確認しましょう。壁紙の張り替えが許可されているか、または内装制限がないかなどを確認し、必要であればオーナーや管理会社に事前に相談することがトラブルを避ける上で非常に大切です。 DIYでクロスを張り替えるメリットは、自分の好みのデザインを選べる自由度と、業者に依頼するよりも費用を抑えられる点にあります。しかし、広い範囲の作業は一人では難しく、糊付けや空気抜きなど、思った以上に技術を要する場面もあります。特に初心者の方は、まずはトイレやアクセントウォールなど、狭い範囲から挑戦してみるのがおすすめです。 必要な道具としては、カッター、スムーサー、地ベラ、メジャーなどがあり、剥がせるタイプの壁紙であれば特別な道具は少なく済みます。壁紙を貼る際は、下地に空気が入らないように注意し、もし入ってしまった場合はスムーサーで丁寧に抜くか、カッターで小さく切り込みを入れて空気を抜くといった工夫も有効です。 賃貸でのクロスDIYは、事前の情報収集と準備をしっかり行い、原状回復を念頭に置いた材料選びと丁寧な作業を心がけることで、自分だけの理想の空間を実現できるでしょう。
賃貸でクロスを自分で張り替えるコツ