新居として選んだマンションは、日当たりも良く間取りも完璧でしたが、壁一面が真っ白なビニールクロスで覆われており、どこか味気なさを感じていました。私の理想は、北欧風の落ち着いたブルーの壁があるリビングでしたが、賃貸なので諦めるしかないと思っていたのです。そんな時、インターネットで自分で張り替えができる剥がせる壁紙の存在を知り、思い切って挑戦してみることにしました。選んだのは、裏面がシール状になっているフリース素材のクロスです。これなら糊を準備する手間もなく、初心者でも扱いやすいという評判を信じての決断でした。作業当日、まずは壁の埃を丁寧に拭き取ることから始めました。汚れが残っていると粘着力が弱まり、後から剥がれてくる原因になると聞いたからです。実際に貼る作業に入ると、最初の垂直を出す工程が最も難しく、何度も貼り直しましたが、シールタイプだったので修正が利く点に救われました。空気が入らないように中央から外側へ向かってスキージーを動かす作業は、次第にコツを掴むと楽しくなり、無機質だった白い壁が鮮やかな色彩に染まっていく様子は感動的でした。特に難関だったのはコンセント周りのカットでしたが、カッターの刃をこまめに折りながら慎重に進めることで、プロのような仕上がりには届かないまでも、十分満足のいく出来栄えになりました。完成した部屋に座ってみると、これまでとは全く違う温かみと愛着が湧いてきて、たった数千円の投資と数時間の労働でこれほど生活の質が変わるのかと驚きました。退去時の不安が全くないわけではありませんが、剥がしやすさを売りにしている製品を選んだことで、気持ちに余裕を持って暮らせています。自分の手で住まいを整えるという経験は、借り物だった部屋を本当の意味で「自分の城」にしてくれる魔法のような力がありました。次は寝室の壁も落ち着いたグレーに変えてみようかと、早くも次の計画に胸を膨らませています。
殺風景な賃貸の部屋を剥がせる壁紙で自分好みに変えた体験記