賃貸のクロス張り替えを自分で行う際、意気揚々と作業を始めたものの、途中で予期せぬトラブルに見舞われて後悔するケースは少なくありません。よくある失敗の筆頭は、壁紙の購入量が不足することです。壁の面積を正確に測ったつもりでも、柄を合わせるためのロスや、端の切り落とし分、さらには貼り直しのための予備を計算に入れていないと、作業の途中で材料が底をつき、同じロットの製品が手に入らずに色差が出てしまうといった悲劇が起こります。対策としては、実面積の二割増しを目安に注文する余裕を持つことが不可欠です。次に多いのが、剥がせる壁紙を選んだはずなのに、いざ剥がそうとしたら下地を一緒に持ってきてしまったというトラブルです。これは、下地となる元の壁紙が古く、表面が脆くなっていたり、安価な壁紙シールに含まれる粘着剤が日光の熱で下地と融着してしまったりすることが原因です。これを防ぐには、事前に目立たない場所で数日間のテストを行うのはもちろん、剥がす際にドライヤーの温風を当てて粘着剤を柔らかくしながら、ゆっくりと角度をつけて剥がしていくというテクニックが有効です。また、コンセントやスイッチプレート周りの処理を面倒がり、上から無理やり切り込みを入れてしまった結果、ガタガタの隙間ができてしまう失敗も散見されます。ここは急がば回れで、必ずプレートのカバーを一度外してから、壁紙を貼り、プレートの大きさに合わせて正確にカットしてからカバーを戻すという手順を踏むべきです。この一手間だけで、素人感の漂う仕上がりが一気にプロ並みのクオリティへと変わります。さらに、湿度が高い日や極端に寒い日に作業を行うと、壁紙が伸縮して後から継ぎ目が開いてしまうこともあるため、施工環境の管理も無視できません。自分で張り替えるという行為には、こうした細かなリスクが常に伴いますが、一つひとつの失敗要因を事前に把握し、適切な対策を講じることで、賃貸という限られた環境下でも理想の住空間を安全に手に入れることが可能になります。